南場智子を知る編集部オススメの一冊

- 不格好経営―チームDeNAの挑戦
- 「それにしても、マッキンゼーのコンサルタントとして経営者にアドバイスをしていた自分が、これほどすったもんだの苦労をするとは……。経営とは、こんなにも不格好なものなのか。だけどそのぶん、おもしろい。最高に。」――創業者が初めて明かす、奮闘の舞台裏。 なぜ途中で諦めなかったのか、いかにしてチーム一体となって愚直に邁進してきたか。創業時の失態や資金集めの苦労、成長過程での七転八倒など、ネット界に新風を巻き起こしたDeNAの素顔を同社ファウンダ…
- ¥1,760(税込)
はじめに
日本屈指のメガベンチャー「ディー・エヌ・エー」の創業者であり、日本を代表する女性実業家である南場智子氏をご紹介します。
経歴だけをみると物凄い才女、女性リーダーの先駆者という印象ですが、厳格で古風な過程で育ったり、周囲を頼れない時期があったりなど多くの葛藤を乗り越えてきた人物でした。
偉人名の経歴や生い立ち
幼少期~学生時代
南場氏は1962年に新潟県で生まれます。父親は石油卸業を経営しており、非常に厳格な家庭でした。ハーバード大学まで進学した彼女ですが、父親は「女性に教育は必要ない」くらいの考えを持っていたそうです。
学生時代は一夜漬けで勉強をし、学業は優秀、非常に負けず嫌いで何事でも全力で取り組んでいました。
大学進学に当たっては実家から出たい思いと父が指定する寮がある女子大ということで、津田塾大学へ進学をします。
その後、親が絶対に追いかけてこれないという観点から、4年次には成績トップの学生に与えられる奨学制度でアメリカの名門女子大学のひとつであるブリンマー大学へ留学されました。
厳格な家庭環境と南場氏の負けん気や才があるからこそのご経歴ですね。
マッキンゼーへ入社、退社を経て、パートナーへ
大学を卒業後、トップコンサルティングファームであるマッキンゼーカンパニーの日本支社へ入社をし、社会人生活をスタートさせます。
しかし、マッキンゼーでの仕事はかなり辛いことが多かったようです。逃げるようにして、ハーバード大学のビジネススクールへ留学をされました。その時にはちょっとした骨休めのつもりでアメリカへ渡ったと語っています。
世界最高峰のビジネススクールへ「骨休め」とは次元が違う気もしてしまいますね。
ハーバード大学卒業後は再度マッキンゼーに戻って就業をされます。
戻った直後のプロジェクトは渡米前と同様でうまくいかなかったようで、実際に転職活動もされていました。
しかし、その次のプロジェクトが南場氏のブレイクスルーにのきっかけとなりました。
これで最後、という気持ちで周囲に弱さもさらけ出すことで、仕事がやりやすくなり、その後も円滑に回すことができたのです。
最終的には1996年に日本女性としては歴代3人目となる同社の共同経営者(パートナー)に就任することとなります。
ディー・エヌ・エーの創業
マッキンゼーのパートナーとして活躍した後、1999年ついにディー・エヌ・エーを創業します。
現在でこそモバゲーなどのゲーム事業の印象が強いですが、当初はインターネットオークション事業からのスタートでした。
その後、「モバオク」や「モバゲー」などに加え、DeNAベイスターズの運営や決済代行サービス、仮想ライブ空間「Showroom」など様々な事業を展開しています。
南場氏は創業から社長として舵を切ってきましたが、旦那様の看病のため2011年に社長を退任、代表権のない取締役となりました。
状況が落ち着いてからはDeNAベイスターズのCEOに就任し、2017年からはディー・エヌ・エーの代表取締役に復帰をされています。
ディー・エヌ・エーは「球体型の組織」と言われており、既存のピラミッド型ではなく、上下のヒエラルキーがなく、社員ひとりひとりの責任を与えて、仕事を任せる文化が根付いています。
だからこそ、どんどん新たな事業を生み出し続けて行ける組織である続けているのでしょう。
偉人名の資産や年収
2013年のアメリカ経済誌のフォーブス誌では「日本のお金持ち50人」に数えられており、推定純資産は5.5億円(532億円)ともいわれています。
ディーエヌエーの筆頭株主でもあるので、その配当金でも数億となるでしょう。
年収に関しては10億円以上と想像されます。
偉人名の名言
成功体験でしか、人は成長できない
人の会社に横から口を出しているうちに、自分で事業をやりたくなってしまいました
「経営にはこれが一番大切だ」といった教科書っぽいものはありませんでした。ただ振り返ってみるとそのとき・そのときの目標に向かってできることはとにかく全部やる――というスタンスでした。初めてサービスが出たとき、みんなの喜び方が純粋でした。そういう純粋なみんなと目標を共有して、全力で頑張ることを楽しめるチームにしたいなと思っていました
わが社では、女性管理職を何割つくるといった目標も設定しませんし、実力のない人に下駄を履かせて昇進させる気もありません
2年間の夫との闘病生活は、それまでに体験したこともない苦しみや悲しみを突き付けられた日々でした。けれども、いくつかの大事な拾い物をした気もしています。そのひとつが、家族の大切さに改めて気づいたこと。私に仕事をこんなに頑張らせてくれたのは、家族が許してくれたからだと今まで以上に感謝するようになりました
まとめ
ディー・エヌ・エーの創業者、南場智子氏について紹介をしてきました。
ご経歴だけを見ると優秀な大学を卒業して、世界有数のコンサルティングファームで経験を積み、一流企業を創業しており、とても煌びやかに見えます。
一方でその裏では挫折も経験されていたり、旦那様の闘病にも一緒に立ち向かわれたりと人間臭さや愛にあふれるお人柄なのではないかと想像されます。
南場智子に関する書籍
論理より情熱が成否を分かつ 我々は永遠にベンチャーである(インタビュー) DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー論文
1999年、オークション・サイト〈ビッダーズ〉の サービスから始まったディー・エヌ・エー。 2005年に東証マザーズ上場、 2007年に東証1部、瞬く間に〈Mobage〉で世界展開を図る大企業となった。 ほとんどのベンチャー組織が、 その成長に伴って成熟化を迎えてしまう。 はたして同社は、起業家精神を保ち続けることができるだろうか。 そのためには、「ヒト」ではなく「コト」に集中する組織であれ、 と…¥550(税込)