稲盛和夫を知る編集部オススメの一冊

- 生き方
- 2004年の刊行以来、120万部を突破した不朽の〝ロング・ミリオンセラー〟! 世界14カ国で翻訳、中国でも200万部を突破! 二つの世界的大企業――京セラとKDDIを創業し、JALの経営再建を成し遂げた当代随一の経営者である著者が、その成功の礎となった実践哲学をあますところなく語りつくした人生論の〝決定版〟! 大きな夢をかなえるために、たしかな人生を歩むために、もっとも大切なこととは何か?豊かな知恵と経験をもとに、丁寧にわかりやすく説き…
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稲盛和夫氏の経歴や生い立ち
稲盛和夫氏は京セラ、KDDIの創業者であり、JAL再建の指揮も取った人物です。
現在存命する実業家としては、日本で最も有名な実業界の巨人と言えるでしょう。
稲盛氏の生い立ちや経歴についてご紹介します。
京セラ創業
稲盛氏は1932年鹿児島県で印刷業を営む家に生まれます。
学業においては大阪大学の医学部を目指すものの、失敗し、鹿児島大学の応用科学科へ進みます。
新卒の際には碍子メーカーの松風工業へ入社し、ニューセラミックスの研究に携わります。
翌年には日本で初めてフォルステライトの合成に成功するなど、研究者としても実績を残します。
1959年、稲盛氏が27歳の時に、京都セラミック(現京セラ)を創業します。
1966年にIBM社からIC用サブストレート基板を受注します。
当時中小企業であった京セラが、趙大手企業のIBMから案件を取ったことで、注文が殺到、業績も大きく拡大します。
その後も順調に生産量を増やしていき、工場も増設、アメリカへの拠点を広げるなど業績を拡大していきます。
稲盛氏の大きな転機として、1973年のオイルショックがありました。
これまで石油に依存していた社会に危機感を覚えた稲盛氏は、京セラが中心となって太陽光発電の事業化を目指し、日米5社とジャパン・ソーラー・エナジーを設立します。
この事業はオイルショックが落ち着くとどんどん他社は脱退をしていきますが、京セラは最後までやりぬき、太陽光事業は現在でも事業として存続をしています。
KDDIの創業
稲盛氏は順調に創業企業である京セラを成長させていきますが、そこでまた一つ大きな転機が訪れます。
これまで日本の通信業界はNTTのみが扱うことができていた事業でしたが、通信事業自由化に伴い、より安い通信インフラが整うのではないかと社会から期待が高まっていました。
稲盛氏はこれまで蓄えてきた1000億円もの資金を使って、通信事業へ参入を決断します。
1984年第二電電企画(現KDDI)を創業します。
JAL再建
2010年に稲盛氏は日本航空再建のタスクフォースに招集をされます。
当時の稲盛氏はすでに78歳でしたが、この案件を引き受けます。
当時のJALは戦後最大の負債額を抱えて経営破綻をしており、誰もがその再建は不可能であると考えていました。
実際に当時の組織は縦割り組織で、どの組織も「自分たちは頑張っている、他が悪い」と言い訳しかしない組織になっていたと言います。
稲盛氏はJALの社員全体の意識改革を行うことで、再建に着手していきます。
語りかけた言葉は「利他の精神」で「君は誰のために仕事をしているんだ?」と問うていったそうです。
結果として、JALを3年で再上場できるまでに回復させ、奇跡のV字回復をやってのけました。
稲盛和夫氏の資産や年収
稲盛氏の年収については詳細情報がありませんでしたが、資産については800億円を超えていると見られます。
また、京セラの株も大量に保有していることから、年収も億単位での収入となることが想像されます。
稲盛和夫氏の逸話
アメーバ経営
稲盛氏が考案した経営管理手法で、JAL再建の際にも用いられた方法です。
会社組織をアメーバと呼ばれる小さい組織に分け、各々に採算の責任を持たせ、業務に当たらせます。
これによって社員一人一人が当事者意識、経営意識を持つことができ、会社としても結果としてコストを抑え、利益を最大化することができます。
稲盛和夫氏の名言
経営における判断は、世間でいう筋の通ったもの、
つまり「原理原則」に基づいたものでなければならない。
我々が一般に持っている倫理観、モラルに反するようなものでは、うまくいくはずがない。
常に「原理原則」に基づいて判断し、行動しなければなりません。
常日頃より、原理原則に基づいた判断をしていれば、どんな局面でも迷うことはありません。
「原理原則」に基づくということは、人間社会の道徳、倫理といわれるものを基準として、人間として正しいものを、正しいままに貫いていこうということです。
バカな奴は単純なことを複雑に考える。
普通の奴は複雑なことを複雑に考える。
賢い奴は複雑なことを単純に考える。
まとめ
稲盛氏をご紹介しました。
1兆円超えの企業を2社も創業し、戦後最大の負債を解消するなど、その実績は日本の経営者の中でも指折りの人物ですね。
その思想は「原理原則」を大切にしており、稲盛氏の影響を受けた経営者も非常に多いでしょう。
まさに歴史に残るレジェンドですね。
稲盛和夫に関する書籍
稲盛和夫の実学 (日本経済新聞出版)
バブル経済に踊らされ、不良資産の山を築いた経営者は何をしていたのか。儲けとは、値決めとは、お金とは、実は何なのか。身近なたとえ話からキャッシュベース、採算向上、透明な経営など七つの原則を説き明かす。ゼロから経営の原理と会計を学んだ著者の会心作。¥576(税込)